「定年を前に、今の家どうしよう…」
「平屋はいいけど、寝室の広さで悩んでないかい?」
「将来、奥さんが階段で転ぶ姿、想像できるか?」
定年退職を目前に控え、「今の家をリフォームするか、住み替えるか」で真剣に悩み始めているあなたへ。
「まだ体は元気だし、平屋は狭くなるから今のままでいいんじゃないか?」と、自分に言い聞かせつつも、心のどこかで「将来、妻が階段で転んだらどうしよう」「冬場の風呂場の寒さが心配だ」という漠然とした不安を抱えていませんか?
ネット上には、残念ながら若い世代向けの情報ばかりで、「自分たちの年代に本当に必要な家のスペック」が分からず困っている方も多いはず。
私は住宅業界・不動産業界の営業として25年以上、現場の第一線に立ってきました。累計300組以上のご家族の家づくりに関わってきた中で、若い頃は正直、「大きな家」「豪華な設備」こそが幸せだと信じて疑わず、それを売ることが正義だと思っていました。
しかし、多くの顧客の「その後」を見届け、私自身の親の暮らしを見る中で、本当の幸せは「広さ」ではなく「老後の不安がないこと」だと、心底気づかされたんです。
だからこそ、これからの人生を謳歌するための「平屋」という選択肢を、包み隠さずお伝えしたい。特に、今回のテーマである「寝室の広さ」は、老後の生活の質を大きく左右する、非常に重要なポイントです。
私の経験のすべてを捧げ、後悔のない家づくりをサポートしたいという強い使命感を持っています。さあ、一緒に後悔しない「終の寝室」を見つけましょう。
「寝室は寝るだけ」が、老後を苦しめる落とし穴だったって知ってた?
多くの方がそう思っています。私もそうでした。もちろん、日中はリビングで過ごす時間が長いでしょうし、寝室は文字通り「寝るためだけの空間」と割り切る考え方も、一理ありますよね。
でも、その考え方が、未来のあなた方を苦しめる可能性があるとしたら…?
うーん、ちょっと怖い話に聞こえるかもしれません。でも、これは決して脅しではありません。私の実体験と、数えきれないお客様との出会いから得た、揺るぎない確信なんです。
若い頃の私もそうだった。お客様の「その後」を知るまでは…
私も若い頃は、「いかに豪華で広い2階建ての注文住宅を建てるか」に情熱を燃やす、典型的な営業マンでした。お客様の夢を膨らませ、予算ギリギリまでローンを組ませて、それはもう立派な家を何棟も契約してきました。
当時、お客様の笑顔を見るたびに「よし、最高のご提案ができた!」と満足していたものです。
しかし、20年、30年という歳月が流れ、当時のオーナー様から連絡をいただく機会が増えてきました。
「営業さん、あの頃はありがとうね。でもね…」
そんな言葉から始まる相談は、決まってこんな内容でした。
- 「階段の上り下りが、最近本当に辛くてね。膝が笑っちゃうんだよ」
- 「2階の部屋、子どもたちが独立してからは、ほとんど物置になっちゃって。掃除も大変で…」
- 「冬になると、広いリビングは寒くて。暖房費もバカにならないし、結局小さな部屋で過ごす時間が増えたよ」
特に印象的だったのは、ある奥様からの電話です。
「主人が夜中にトイレに行こうとして、階段で一度滑ってしまって…。幸い大事には至らなかったんだけど、それから私まで、夜中にヒヤヒヤして眠れない日が増えたのよ」
この話を聞いた時、私ははっとしました。
そして、追い打ちをかけるように、私自身、実家の両親が広い家を持て余し、寒暖差や段差に苦労している姿を目の当たりにしました。特に、夜中に薄暗い中をトイレに向かう時の、あの不安定な足元。冬場のヒートショックの危険性。見ていて本当にヒヤヒヤしましたね。
「家は建てて終わりではない。老いてからが本当の生活の舞台だ」
そう痛感した今だからこそ、流行り廃りではない、身体機能が低下しても笑って暮らせる「終の住処」の魅力を、プロの視点と生活者の視点の両方から発信し、後悔のない家づくりをサポートしたいという強い使命感を持っています。あの頃の、少しの罪悪感も、今ならきっと、未来のお客様の笑顔に変えられると信じています。
あなたも同じ不安、抱えていませんか?
私が今お話ししたようなお客様や両親の話を聞いて、「ああ、それ、俺も心配なんだよな…」と感じたあなた。ですよね、きっと心当たりがあるはずです。
「まだ体は元気だし、平屋は狭くなるから今のままでいいんじゃないか?」と、自分に言い聞かせつつも、心のどこかで漠然とした不安を抱えていませんか?
その不安、具体的な形にしてみると、もしかしたらこんなことかもしれません。
-
「将来、妻が階段で転んだらどうしよう…」
- これは特に2階建てにお住まいの方にとっては、切実な心配ですよね。
-
「冬場の風呂場の寒さが心配だ」
- ヒートショックのリスクは、年を重ねるごとに高まります。
-
「平屋がいいのはわかるけど、寝室は6畳でホントに足りるんだろうか?」
- 今は夫婦2人、寝るだけなら十分。でも、将来のことを考えると…
そうなんです。特に「寝室の広さ」については、皆さん、深く悩まれる方が多いんです。
- 今はシングルベッドを並べて、なんとか収まっているけど…
- 将来、ポータブルトイレが必要になったら、置くスペースがあるだろうか?
- もし介護ベッドを搬入することになったら、このドアから入るのか?置けるのか?
- 介護する側の人が、ベッドサイドで介助するスペースはあるんだろうか?
こうした具体的なイメージが湧いてくると、一気に不安が押し寄せてきますよね。
「広すぎると、建築コストも冷暖房費も掃除の手間も増えるし…」
「かといって、狭すぎて後悔するのはもっと嫌だ!」
そうですよね。その気持ち、よく分かります。必要最低限かつ将来も安心できる「最適な広さ」を見極めたい。私も、あなたのその疑問に、今日しっかりお答えしたいと思います。
結論から言います。平屋の寝室、老後を見据えるなら「8畳」が安心です。
はい、いきなり結論です。ええ、少し断定的に聞こえるかもしれませんね。でも、これは長年の経験と、数多くのご家庭の「その後」を見てきた私の、偽らざる本音です。
もちろん、ご予算や土地の広さ、ご家族の状況によって最適な選択は異なります。
でも、「老後の介護」という現実を具体的にイメージし、夫婦双方が安全かつ快適に過ごせる空間を確保したいと願うのであれば、寝室は「8畳」を選択肢として真剣に検討してほしい、というのが私の結論です。
なぜ、そう言い切れるのか?これから、その理由を具体的にお話ししましょう。
なぜ「6畳」では厳しいのか?リアルな介護シーンで考えてみよう
「え、6畳じゃダメなの?今は十分足りてるけど…」そう思いましたよね。
ですよね、分かります。でも、想像してみてください。今の快適な空間が、少し先の未来では、あなたや奥様の心身を蝕む「窮屈な檻」になってしまう可能性もあるんです。
具体的に、6畳の寝室(約270cm×360cm)に、将来必要になるかもしれないものを配置してシミュレーションしてみましょう。
シングルベッド2台の設置だけでもギリギリ
夫婦2人暮らしですから、シングルベッドを2台並べることが多いですよね。
- シングルベッド1台の一般的なサイズ:幅約97cm × 長さ約195cm
- これが2台となると、幅は約194cm必要になります。
6畳の短辺が約270cmなので、ベッド2台を横に並べると、壁から壁まででギリギリですね。
ベッドフレームの種類によっては、ヘッドボードやフットボードに厚みがあり、さらに数cmかさむこともあります。これだけで、部屋の短辺のほとんどをベッドが占めてしまうことになります。
仮にベッドを壁に寄せて配置したとしても、もう一方の壁との間には、わずか数cmの隙間しか残らないでしょう。
ポータブルトイレのスペースはどこに?
老後、足腰が弱って夜中にトイレに行くのが億劫になったり、間に合わなくなったりすることは、決して珍しい話ではありません。そんな時、ポータブルトイレは強い味方になります。
- ポータブルトイレの一般的なサイズ:幅約60cm × 奥行約60cm
このスペースを、ベッド2台が占める6畳の寝室のどこに置くでしょうか?
ベッドサイドに置くとしても、ベッド間のわずかな隙間か、部屋の隅になるでしょう。しかし、その場所に置いたとして、次に問題になるのが「動線」です。
介護者の動線、介助スペースは確保できる?
これが一番重要かもしれません。万が一、奥様が体調を崩し、あなたがお世話をすることになった場合を想像してみてください。
- ベッドから起き上がるのを手伝う
- ポータブルトイレへ誘導する
- おむつ交換などの介助をする
- 身体を拭いたり、着替えさせたりする
こうした介助には、ベッドの周りに最低でも70~90cm程度の通路幅が必要だと言われています。
6畳の寝室で、ベッド2台とポータブルトイレを置いた上で、この通路幅を確保するのは、はっきり言って至難の業です。
想像してみてください。夜中に奥さんが急に体調を崩した。薄暗い中、狭いベッドサイドで屈んで介助をするあなた。思うように動けない体で、なんとか奥さんを支えようとする。体勢が辛く、何度も腰をかがめ、膝をついて…これ、本当に大変です。介助する側の負担も尋常じゃありません。
実際に介護されている方から「とにかく狭いのが一番困る。腰が痛くて、もう限界だ」という悲痛な叫びを、私は何度も聞いてきました。
介護用品を搬入するのも一苦労。ちょっとした段差や狭い通路が、後々大きな問題になるんですよ。
6畳のメリットもちゃんとある。でもデメリットが大きすぎるんだ
もちろん、6畳の寝室にもメリットはあります。そこを無視して「8畳にしろ!」とは言いません。
6畳のメリット
- 建築コストが抑えられる:部屋が小さくなれば、その分、床面積が減り、建築費用を節約できます。
- 冷暖房費の節約:空間が小さいため、エアコンの効きも良く、光熱費を抑えることができます。
- 掃除の手間が少ない:シンプルな空間なので、日々の掃除も楽になります。
- 他の部屋にスペースを割ける:寝室をコンパクトにした分、リビングや収納など、他の空間を広く取ることができます。
うん、分かります。特に平屋は、2階建てに比べてどうしても床面積が限られがちですから、こうしたメリットは魅力的ですよね。
でも、そのメリットと天秤にかけるべき「デメリット」が、老後を見据えた時、あまりにも大きいんです。
6畳のデメリット(老後を考えると致命的)
- 将来的な窮屈さ:介護が必要になった際に、ベッドやポータブルトイレの配置で身動きが取れない空間になりかねません。
- 介護負担の増大:介助スペースが狭いことで、介護する側の身体的・精神的負担が大幅に増えます。腰を痛めたり、介助自体が困難になったりする可能性も。
- 精神的ストレス:狭い空間での介助は、される側にもする側にも大きなストレスを与えます。不自由さから、夫婦喧嘩が増える、なんて話も珍しくありません。
- リフォーム費用の発生:結局、介護が必要になった際に「やっぱり狭い!」となって、大掛かりなリフォームをすることになりかねません。壁を壊して隣の部屋と繋げる、なんてことになったら、かなりの出費ですよね。
- 安全性の低下:介助スペースが確保できないことで、転倒などの事故のリスクが高まります。
そうなんです。目先のコストや手間に気を取られて、将来の「安心」を犠牲にしてしまうのは、あまりにももったいない。最終的に、より大きな負担となって返ってくる可能性が高いんです。
「8畳」がもたらすのは、広さだけじゃない。「心のゆとり」と「安心感」なんだ。
「8畳」という選択は、単に2畳広くなる、という数字の話だけではありません。
これは、「未来への投資」なんです。
将来の夫婦の暮らし、特に介護という現実が目の前に現れた時に、あなたと奥様を、身体的にも精神的にも守ってくれる「心のゆとり」と「安心感」を買う、と考えるべきです。
「ゆとり」が確保できる具体的なレイアウトイメージ
では、8畳(約360cm×360cm)の寝室なら、何ができるのか?具体的に見ていきましょう。
先ほどの6畳のシミュレーションと比較してみてください。
- シングルベッド2台:幅約194cm
- ポータブルトイレ:幅約60cm × 奥行約60cm
- 介助スペース:ベッドサイドに最低70cm~90cm確保
8畳の寝室であれば、短辺が約360cmありますから、シングルベッド2台を横に並べても、両サイドにそれぞれ約80cm程度のスペースが生まれます。これなら、介助スペースとしても十分確保できますし、ベッドとベッドの間にナイトテーブルを置いたり、ポータブルトイレを置くことも可能になります。
例えば、
- ベッド2台を窓側に寄せて配置。
- その手前(部屋の入り口側)に、約100cm程度の通路を確保。
- 通路脇にポータブルトイレや収納を配置。
これなら、お互いのベッドサイドからスムーズに移動できますし、介助が必要になった際も、介護する人が無理なく動くことができます。
さらに、車椅子や歩行器を使うことになった場合でも、通路幅90cm以上あれば、比較的スムーズに移動できるようになります。
どうですか?少し具体的に想像できるようになってきましたか?
たとえば、夜中に奥さんが急にトイレに行きたくなった時、寝室から数歩で段差なく、十分なスペースのあるポータブルトイレに行ける安心感を想像してみてください。介助するあなたも、無理な体勢で腰を痛める心配が減ります。
これが「広さ」がもたらす、物理的なゆとりであり、精神的な安心感なんです。
8畳だからこそ実現できる「終の寝室」としての価値
8畳の寝室は、単に広いだけではありません。それは、人生の最終章を快適に、そして尊厳を持って過ごすための「終の寝室」としての価値を格段に高めてくれます。
介護ベッド搬入と使用のしやすさ
もし将来、本格的な介護が必要になり、介護用ベッドを導入することになったとしましょう。介護用ベッドは、通常のベッドよりも大きく、リクライニング機能や昇降機能がついているため、電動モーターやサイドレールなども含め、かなりかさばります。
- 介護用ベッドの一般的なサイズ:幅約91cm~100cm × 長さ約191cm~203cm
2台並べるとなると、やはり2m近い幅が必要です。これに加えて、ベッドの搬入経路の確保、そして何より、ベッド周りの介助スペースが不可欠になります。
8畳の広さがあれば、介護ベッド2台を置いても、ベッドサイドに余裕を持たせた通路を確保しやすくなります。介助者がスムーズに動き回れることで、身体の向きを変えたり、体位変換をしたりする動作も格段に楽になります。これは、介護される側の快適さだけでなく、介護する側の負担軽減にも直結します。
多目的空間としての活用
高齢になると、日中の活動量が減り、寝室で過ごす時間が増えることもあります。そんな時、寝室がただ寝るだけの場所ではなく、多目的に使える空間であることの価値は計り知れません。
- 日中のリラックススペース:小さなソファやアームチェアを置いて、読書を楽しんだり、音楽を聴いたりする空間に。
- 着替えや身支度のスペース:クローゼットと繋がった広いスペースで、慌てずにゆっくりと身支度ができる。
- ちょっとした趣味のスペース:小さなデスクを置いて、手紙を書いたり、簡単な作業をしたり。
- 緊急時のケアスペース:万が一の体調不良時にも、医療器具や介護用品を置く一時的なスペースを確保しやすい。
これは、単なる物理的な広さ以上の価値を生み出します。寝室が「自分たちのサンクチュアリ(聖域)」となり、精神的なゆとりと穏やかさをもたらしてくれるのです。
でも、本当に8畳必要?「広さのデメリット」も隠さず話そう。
「なるほど、8畳の良さは分かったよ。でも、やっぱり広すぎるところが心配なんだよな…」
ですよね~。さすがです。デメリットもちゃんと気になりますよね。
私がお伝えしたいのは「ただ広くすればいい」ということではありません。あくまで「最適な広さ」を見極めること。そのためには、広さによるデメリットも、包み隠さずお話しする必要があります。
8畳を選ぶ前に知っておくべきこと
8畳の寝室を選ぶことで、以下のようなデメリットが生じる可能性があります。
-
土地の広さが必要になる:
- 平屋の場合、建物全体のフットプリントが大きくなります。寝室を8畳にすれば、その分、他の部屋の広さを調整するか、敷地自体を広く取る必要が出てきます。
- 「今、持っている土地で本当に平屋が建つのか?」という問題に直面するかもしれません。
-
建築コストが上がる可能性:
- 延べ床面積が増えれば、当然、建築費用も上がります。坪単価は同じでも、総額は高くなります。
- 「予算の中で、本当に8畳の寝室を実現できるのか?」という現実的な問題も浮上しますね。
-
冷暖房効率が少し落ちる:
- 部屋が広くなれば、冷暖房が効くまでに時間がかかったり、設定温度を低く(高く)したりする必要が出てくるため、光熱費が多少上がる可能性があります。
- ただし、これは断熱性能や窓の配置、エアコンの選定でかなりカバーできます。
-
掃除の手間が増える:
- 単純に床面積が広くなるので、その分、掃除にかかる時間や労力が増えます。
- ロボット掃除機などを活用すれば軽減できますが、隅々まで綺麗にしたい方にとっては、デメリットに感じるかもしれません。
これらを考えると、「やっぱり6畳でいいかな…」と気持ちが揺らぐ方もいるかもしれません。
逆張り視点も大切だ。「寝室は本当に寝るだけなのか?」
ここで、少し「逆張り」の視点もご紹介しましょう。
もしかしたら、あなたはこう思うかもしれませんね。
「そもそも、介護が必要になったら、寝室じゃなくてリビングで過ごすんじゃないか?」
「ポータブルトイレだって、一時的なものかもしれないし、常設するとは限らないだろう?」
「広ければ広いほど快適ってわけでもない。無駄に広いのは嫌だ!」
「それに、必ずしも将来介護が必要になるとは限らないじゃないか。その不確実な未来のために、現時点の快適さや他の部屋の優先順位を犠牲にするのは賢明なのか?」
はい、ごもっともです。正直、どれも一理あります。そして、私もそうした意見に耳を傾けるべきだと考えています。
- リビングで介護する選択肢:日中はリビングで過ごし、そこで介護することも可能です。むしろ、日中の生活動線としては、その方が効率的な場合もあります。
- ポータブルトイレは一時的:常に寝室に置いておく必要はなく、一時的に利用する期間だけレンタルするという手もあります。
- 広さのデメリット:広すぎると落ち着かない、冷暖房費がかさむ、掃除が大変といったデメリットは確かに存在します。
- 未来の不確実性:誰もが介護を必要とするわけではありません。健康寿命が延びている現代において、「介護」を過剰に意識しすぎる必要はない、という考え方もあるでしょう。
大切なのは、「今」と「未来」の間のバランスを、あなた自身がどこに置くか、ということです。
寝室の広さは、人生の「衣服」のようなものだと考えてみてください。今はジャストサイズ(6畳)で十分快適でも、体形が変わった時(身体機能が低下した時)に窮屈にならないよう、少し余裕を持ったサイズ(8畳)選びが賢明だ、というのが私の提案です。
ただし、その「余裕」が、今の生活を圧迫するほど大きなものになってしまうのも本末転倒。だからこそ、家族でよく話し合い、設計士と一緒に最適なバランス点を見つけることが重要なんです。
あなたの「終の寝室」を具体的にどう設計していくか?プロの視点からアドバイス
ここまで読んでいただき、「よし、将来を見据えて考えてみよう」と思ってくれたあなたに、具体的な設計のヒントをお伝えします。
私が「老後の暮らしのパートナー」として、お客様の人生設計(ライフプラン)に合わせた「無理のない、しかし質の高い提案」をする上で、常に意識していることです。
まずはこれ!「寸法」と「動線」のリアルシミュレーション
どんなに言葉で説明しても、実際に手を動かしてみるのが一番です。
-
紙とペンで間取りを描く:
- 6畳と8畳、それぞれの広さで、ベッド2台(幅97cm×2台=約194cm)、ポータブルトイレ(幅60cm×奥行60cm)、さらには車椅子(幅約65cm~70cm)、介護者の介助スペース(70cm~90cm)を書き込んでみてください。
- そうすることで、どこに何を置くと、どう動けるのか、一目で分かります。
-
家具の選び方も工夫する:
- ベッドフレームは、ヘッドボードやフットボードが極力薄いものや、フレームがないタイプを選ぶことで、数センチでもスペースを稼げます。
- 収納家具は、引き出し式よりも引き戸式の方が、開閉時にスペースを取りません。
実際に生活するイメージを持って、動線を何度もシミュレーションしてみてください。「夜中にトイレに起きて、ベッドからポータブルトイレまで、段差なく移動できるか?」「介助する人がベッドの周りをスムーズに一周できるか?」といった具合にです。
設計士との賢い付き合い方。伝えてほしい「未来の暮らし」
家づくりのプロである設計士は、あなたの要望を形にするスペシャリストです。
でも、未来の「介護」という具体的な状況までを、お客様の方から具体的に伝えないと、設計士もそこまで踏み込んだ提案はしづらいものです。
-
介護の可能性を具体的に伝える:
- 「将来、介護が必要になった際に、夫婦2人が快適に過ごせる寝室にしたい」と、はっきりと伝えてください。
- 介護用ベッドを2台置く可能性、ポータブルトイレの利用、車椅子での移動、といった具体的なイメージを共有しましょう。
-
私の知識も活用してください:
- 私は「シニアライフカウンセラー」や「福祉住環境コーディネーター」の知識も取り入れています。こうした専門知識を持つ私が、あなたの言葉を設計士に分かりやすく伝える「橋渡し役」になることも可能です。
- 単なる不動産屋ではなく、「老後の暮らしのパートナー」として、あなたの不安を設計に落とし込むお手伝いをします。
-
フレキシブルな設計を検討する:
- 将来的に、隣接する部屋との間仕切り壁を可変式にしたり、壁の一部を補強して手すりを後から設置しやすくしたり、といった工夫もできます。
- 「今は6畳でいいけど、将来は8畳に広げられるような設計にしてほしい」といった要望も、設計士なら柔軟に対応してくれるでしょう。
ユニバーサルデザインの視点を取り入れる「未来への備え」
「ユニバーサルデザイン」という言葉、ご存知ですか?これは、年齢や身体能力に関わらず、誰もが使いやすいデザインのことです。
寝室だけでなく、家全体にこの視点を取り入れることで、将来の身体能力の変化に柔軟に対応できる家になります。
-
ドアの幅を広くする:
- 寝室のドアは、最低でも80cm、理想は90cm以上の有効開口幅を確保しましょう。車椅子や介護ベッドの搬入、介助者が一緒に入る際にも、この広さは非常に重要です。
- 引き戸タイプにすれば、開閉スペースを取らず、有効開口を広く保てます。
-
床の段差をなくす:
- 当然のことながら、家の中の段差は極力なくしましょう。特に寝室からトイレへの動線は、転倒リスクが高まる場所です。
-
手すりの設置場所を想定する:
- 今は必要なくても、将来的に手すりを設置する可能性のある壁には、下地補強をしておくことをおすすめします。後から工事するよりも、コストも手間も抑えられます。
- 寝室内のベッドサイドや、部屋の入り口付近などが候補になります。
-
スイッチやコンセントの高さ:
- 車椅子からでも操作しやすい高さにしたり、ベッドの近くに多めにコンセントを設置しておくと便利です。
収納計画と多目的空間としての工夫
寝室の広さを語る上で、収納は切っても切れない関係です。
-
引き戸式の大型収納:
- 開き戸は開閉スペースが必要ですが、引き戸ならその心配がありません。壁一面を収納にすることで、部屋をすっきりと保ち、広々使えます。
- 可能であれば、ウォークインクローゼットにして、そこで着替えも完結できるようにすると、寝室の床面積を最大限に活かせます。
-
多目的空間の工夫:
- 8畳の広さがあれば、ベッドとは別に、小さなパーソナルチェアとサイドテーブルを置くスペースも確保できます。
- 日中、夫婦それぞれが自分の時間を大切にできる「パーソナルスペース」としても活用できるでしょう。
予算と優先順位。「どこにお金をかけるべきか」
最終的には、建築全体の予算との兼ね合いになります。
「寝室を8畳にすると、リビングが少し狭くなるのか…」「外壁のグレードを落とすしかないのか…」といった葛藤も生まれるでしょう。
そこで、もう一度思い出してほしいのが、「寝室の広さが持つ長期的な価値」です。
リビングは家族が集まる大切な場所ですが、人生の終盤、最も多くの時間を過ごし、最もプライベートな空間となるのは、寝室です。そこで快適に、安全に過ごせるかどうかが、夫婦の生活の質、そして心の健康に直結します。
今、数畳の「ゆとり」を買うことは、未来の「安心」を買うことだ。
この言葉を胸に、他のスペースとの優先順位を冷静に判断してみてください。
本当に必要のない豪華な設備や、過剰な装飾に費用をかけるよりも、将来の「安心」に投資する方が、賢明な選択だと私は確信しています。
まとめ:平屋の寝室選び、後悔しないための3つの要点
さて、長々と話してしまいましたが、最後に今日覚えておいてほしいことを3つにまとめますね。
あなたが平屋の寝室選びで後悔しないために、この3つのポイントを心に留めておいてください。
-
老後の介護を具体的にイメージし、必要な「広さ」と「動線」を確保すること。
- シングルベッド2台、ポータブルトイレ、介護者の介助スペース、そして将来の介護ベッド搬入まで見据えてシミュレーションしてみましょう。6畳では厳しい現実があることを知ってください。
-
8畳は単なる広さではなく、「心のゆとり」と「安心感」を買う投資と考えること。
- 目先のコストや手間に惑わされず、将来の夫婦の生活の質と、あなた自身の介護負担軽減のために、8畳という選択がもたらす価値を再評価してみてください。
-
設計士と「未来の暮らし」を共有し、フレキシブルな設計を検討すること。
- あなたの漠然とした不安を具体的に伝え、ユニバーサルデザインの視点も取り入れながら、長期的に住みやすい家づくりを目指しましょう。私も、そのお手伝いができます。
あなたの人生の物語が、ここから始まるんだ。
私は、かつて自分の親が広い家を持て余し、寒暖差や段差に苦労している姿を目の当たりにしてきました。その経験があるからこそ、お客様には同じ後悔をしてほしくない、と強く思っています。
家づくりは、単なる箱物を作る作業ではありません。それは、これからの夫婦の人生を、どのように謳歌していくか、その舞台を作り上げる壮大なプロジェクトです。
特に「平屋」という選択は、まさにこれからの人生を謳歌するための、素晴らしい選択肢だと私は信じています。その中でも、寝室は夫婦の生活の質を直接左右する、最も重要な空間の一つです。
広すぎる後悔より、狭すぎる後悔の方が、人生の重荷は大きいものですよ。
シニアライフカウンセラー、福祉住環境コーディネーターとしての知識も駆使し、ただの不動産屋としてではなく、「老後の暮らしのパートナー」として、あなたの家づくりを全力でサポートさせていただきます。
さあ、あなたの理想の「終の寝室」を一緒に見つけていきましょう。いつでも相談してくださいね。

コメント